『魏志倭人伝』には、かつて日本人は手食であったとされています。 日本の箸の起源を大嘗祭に使われるピンセット状の「折箸」とする説、鳥の嘴を模したもの(クチバシのバシ→箸)など諸説あり、どれも明確な根拠がないため不明と言えます。 記録にある範囲でいうと、小野妹子らと共に来日した隋使によってもたらされ、その後、箸食を採用。 寺院を中心にして徐々に各地へ普及したらしい。

お箸と信仰

【箸杉信仰】○○大師が使った箸を地面に突き刺したところ、芽が出て杉の大木になり御神木になったという言伝えは、今も各地に残っています。凡人の私が地面に刺したら、ただのゴミです...

【箸折り】古の旅人は食事後に箸を折り、旅の安全を祈願したようです。なぜなら、一度使用した箸には、その人の霊が宿るとされていたので、箸に宿った霊を自分の元に返すためにお箸を折ったのだとか。これが割り箸のルーツのようです。 一時、「割り箸は環境に悪い」なんて論争があった?にも関わらず、無くならないのは、「きれい好きな日本人」にも一因があるのかもしれません。 中国からの輸入が厳しい状態と環境を重視する現在では、近いうちにコンビニのお弁当の割り箸も有料化になるでしょう。

お箸の種類

  • 両口箸:両端が細くなっている箸 冠婚葬祭や本膳料理など"晴れの日"に使う。中でも柳の箸を最上とし、【家内喜(やなぎ)箸】と呼ぶらしい。長さは老若男女問わず八寸(24cm)←(末広がりの "八" から)。原則使い捨て。
  • 片口箸:片方のみが細くなっている箸。普段使いの箸で、主に個人用。
  • 寸胴箸:頭部も先端もほぼ同じ太さ。中国、ベトナムなどはこのタイプが主流です
  • これら3つの形状の他に、【長さ】【用途】【男女別】や【取り箸】【菜箸】【火箸】など、日本には他国に類を見ないほど多くの種類が存在します。

持ちやすい箸

お箸の場合、洋食器のナイフやフォークのように料理に合わせてサイズを変えることはなく、使う人の手の長さに合わせます。 最も使いやすい長さは、手首から中指の先端までの1.1~1.2倍。およそ17cm~21cm程度となります。

箸使いのマナー

和食の食事作法は「箸に始まり、箸に終わる」とされるほど箸使いが重要となります。とは言え、出家修行をしているわけではないので、楽しく、他人に不快感を与えない程度で良いですよね???

  • 持ち方:固定する箸を親指の間に挟んで薬指と小指で支える。もう一方の箸は鉛筆と同じ要領で持ちこちらを動かす。

嫌い箸/忌み箸

  • 移り箸:おかずばかり食べ続けることは"卑しい"とされるので、おかず→ご飯→汁物→おかず→ご飯→汁物の順に食べましょう。
  • 探り箸:器の中から好きなものを探し出して食べること。
  • 刺し箸:料理に箸を突き刺すこと。
  • 涙箸:箸先から汁をポタポタと落とすこと。
  • 迷い箸:料理の上をあちこち箸を迷わすこと。
  • 持ち箸:箸をもったまま他の食器を持つこと。
  • 空箸:一度、料理に箸をつけたのに食べないで箸を置くこと→(歴史的に)毒入りを疑っている仕草と思われる。
  • ねぶり箸:箸についた米粒などを口でなめて取ること。
  • ちぎり箸:箸を片手で一本ずつ持ち、食材を裂くようにちぎること。
  • 直箸:「取り箸」を使わずに大皿料理を自分の箸で取ること(日本のみ)。
  • 寄せ箸:食器を箸で手前に引き寄せること→テーブル、器に傷がつく恐れがある。
  • 渡し箸:食事途中で箸を食器の上に渡して置くこと。→"もう結構/ご馳走様" のサインになるので、箸置き(なければ箸袋)を使う。 これを知らない人は多いです!
  • 立て箸:ご飯に箸を突き立てること→死者に供するご飯を意味する。
    【注】地方によっては異なることがあります。

他にもた~くさんありますが省略→「僧籍にあった方々の規律」+「和食」って事から推測できますかね。ご自身を顧みて、いくつ当てはまりました?

お箸で食べるか?フォーク・ナイフで食べるか?

今日の和食は様々な洋食的要素を取り入れたものが多いですね。 お箸は「挟む」「つまむ」「切る」「盛る」など食事に必要な動作の全てをカバーできますが片手を拡張する道具なので、既に食材が比較的小さく切られているか、簡単に切れる程度にやわらかい食材である方が向いているように思います。

関連:「いただきます」と「ごちそうさま」 貴婦人のような食べ方

蛇足

  • 箸を一膳、二膳...と数えるのは鎌倉時代になってから。各人のお膳には一対の箸があったことからお箸も【膳】と数えるようになったようです。
  • 銀は砒素に反応するので古の偉い人は、銀の箸を毒見に使用したとか。中世ヨーロッパでホストが銀食器を用意するのは「毒入りではありませんよ」ってサイン。また、ソムリエが使うタストヴァンが銀製なのも、元々は毒見のためだった名残。狙われる心当たりがある人は参考までに。

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  • 2007-09-03 (Mon) 22:37:27 むとう : お箸に関心を持たれるキッカケになれば幸いです。もっとお知りになりたい場合は、一色八郎氏の著作をオススメします。
  • 2007-09-02 (Sun) 17:09:45 : ナルホド・・・
  • 2007-06-04 (Mon) 20:25:25 むとう : 勉強、ご苦労様です。
  • 2007-06-04 (Mon) 18:33:06 DOLL :  とても分かりやすく、勉強に役立ちました!!
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Last-modified: 2009-09-05 (土) 14:10:48