カトラリーの語源は、"カット"なので厳密には刃のついたナイフ状のものを 差すのですが、(スプーンやフォークはフラットウェアと呼ぶ)ここでは日本的に、 ナイフ、フォーク、スプーンの全てを含めます。

国によってサイズが様々で、流行や様式により異なりますので大まかに。

古くから、ヨーロッパでは赤ちゃんの出生祝いに銀のスプーンを贈る習慣があるのは、 経済的に恵まれることを願うためだそうです。 銀器が、その象徴なのでしょう。

家庭用として揃えるなら、ナイフ、フォーク、スプーン、ティースプーンの4種類を家族分+2人分程度で十分でしょう。平均的なテーブルナイフ、テーブルフォークはサイズが大きく、食器のサイズと不釣合いにならないように留意したいものです。

ナイフとフォークのルーツ

まだ動物に近かった古代人の食生活では黒耀石*1や非常に硬い石の破片を用いて 野菜や肉を切ったり突き刺したりしていたと想像できます。 火で加熱するようになると、直接食材を手で持っているのには「アッチチ!」と限界があるので、枝のようなものを用いたのでしょう。

中世に入ってもナイフは個人で携帯する習慣があり、その目的は食事用の他に護身用などの道具でもあったため現在のテーブルナイフよりも鋭く刃先の尖った形であったようです。 食事の際は、予め切ってあったものを手で食べるか、みんなで共有する肉料理の場合は一本のナイフで切り取り、刃先に肉を突き刺して口元まで運んでいた、ワイルド作法だったようです。

私たちにとって、肉をナイフで切る間、他の手に持ったフォークで動かないように押さえつけるのが自然な作業ですが、中世の一時代には両手に二本のナイフを用いるのが主流だったこともあったそうです。 しかし、ナイフでは押さえつけるのに適した形状とはいえないため、やがて二股のフォークが登場します。

フォークは意外と新しい?

単に食材を突き刺す棒状のものを含めた調理用のフォーク(の原型)は、先史時代から使われていたはずですが、私たちに馴染みのあるテーブルフォークのルーツは、どうやら七世紀の中東でずっと時代が下って、1100年ごろにイタリアへ伝わったようです。

更に後年の1608年イギリスで出版された『コリャットの見たまま聞いたまま-五ヶ月間の急ぎ旅』によると、

イタリア人、およびイタリアに居住しているほとんどの外国人は、食卓で肉を切る際にかならず小さなフォークを使用するのだ。 彼らは、一方の手に持ったナイフで大皿の肉を切って取り分けるあいだじゅう、反対の手に握ったフォークでその肉塊を皿に押さえつけている。(中略) なぜ彼らがこんな奇妙な食べ方をするのかというと、みながみな手を清潔にしているとはかぎらないと考えていて、自分の料理に他人の指が触れるのを極度に嫌うからである。

とあります。

イタリアにフォークが伝わった当初も、ナイフ1本での食事が定着していたので、このイギリス人著者が記したように「奇妙な食べ方」と受け取られたであろうことは想像に難くありません。 著者はイギリスに帰国後もフォークを用いた食事を自ら実践したようですが、気障な作法として嘲笑されることの方が多く、一般的になるまでは17世紀ごろまで時代を下ります。

カトラリーの種類

私にとっては、披露宴で見かける数種類のカトラリーが、ズラッと並んでいるだけで壮観で これから運ばれてくる料理に期待感が高まるのですが、実は、まだまだ種類があります。

英国式/仏国式?

カトラリーが上向きに並べられているのが英国式、裏側を上にして置かれるのが仏国式です。一組のカトラリーで済ませてしまう場合はカトラリーレストを用いる。

  • インディビジュアルグレイビスプーン
  • フィッシュフォーク
  • フィッシュナイフ
  • デザートスプーン(約17-18cm)
  • デザートフォーク(約17-18cm)
  • デザートナイフ(約20-21cm)
  • プレイススプーン(約19-20cm)
  • プレイスフォーク(約19-20cm)
  • プレイスナイフ(約22-23cm)
  • テーブルスプーン(約21-22cm)
  • テーブルフォーク(約21-22cm)
  • テーブルナイフ(約24-25cm)
  • バタースプレッダー
  • ペイストリーナイフ
  • ペイストリーフォーク
  • サラダフォーク
  • エスカルゴフォーク
  • ロブスターフォーク
  • オイスターフォーク
  • ロングドリンクスプーン
  • ブイヨンスープスプーン
  • スープスプーン
  • デミタススプーン
  • アフターディナースプーン
  • ティースプーン
  • コーヒースプーン

関連:お箸について


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*1 黒曜石:黒っぽいガラス質の岩石の一種。ナイフや矢じりなどの石器として使用された。

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Last-modified: 2008-12-04 (木) 15:16:53