盛り付けの源流を探れば中国の陰陽五行へ通じ、陰陽相反する性質の調和を理論立てた思想が和食の調理法にも大きく影響しています。 右より左の方が上位となり魚の頭を左側にするのもご飯を左側に置くのもこのためです。

更に武家や商家に普及するようになると「三切れは身切れ」、「黒豆はマメで達者」などゲン担ぎや故事付けから生まれたものも広く普及するようになりました。

そこで何かに限定した厳格なルールは置いておいて、基本的な共通点や意味を知り、TPOにあわせて取捨選択できるようなヒントになればと。 考慮する点は、【季節感】【料理と器の相性】【色取り】【余白】【食べやすさ】でしょうか。

季節と素材・模様

季節に併せた素材と模様を極めて大まかに。

季節素材模様
正月漆器海老 福寿草 独楽 若松 千両 etc
何でもOK節分草 椿 梅 桜 桃 かすみ草 カーネーション 牡丹 流水 鮫小紋 矢羽根 巴 七宝 etc
籠 ガラス 染付け 青磁 白磁菖蒲 朝顔 麻の葉 竹 青海波 鱗 蝶 蜻蛉 etc
何でもOK萩 金木犀 コスモス 柊 撫子 ススキ 銀杏 紅葉 桔梗 菊 唐草 鹿の子 亀甲 菱文 etc
土物 蓋物南天 松 業平菱 扇面(せんめん) サザンカ ポインセチア 千鳥 雪持 紗綾形(さやがた) 石畳 etc

素材のイメージ

http://wiki.zakka56.com/img/plate-character.png

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器の形と分量の目安

お弁当や重箱ならばギッイリ詰め込まれている方が嬉しいですが、料理の分量は器の六割~七割程度に抑えると適度な余白があり料理と器の相乗効果が期待できます。 やはり陰陽五行の影響から、食材を丸く調理した場合には四角い器を合わせ、食材を角のある形に調理した際は丸い器に盛ると陰陽の調和が取れて美しいとされています。 また、具材の多い汁物はお汁を控えめにした方が程よい分量になります。

丸皿と角皿 http://wiki.zakka56.com/img/mikomi.jpg

主役と脇役の盛り付け例

あくまでも盛り付け例です(主:主食材,脇:副食材,添:添え物) http://wiki.zakka56.com/img/moritsuke.jpg

三種以上を盛り付ける場合は主役との色のコントラストなどで脇役の順序を決めると見栄えがします。更に多種を盛る場合は食材を配した際に生じる縦横斜めのバランスを考慮して一方に偏らないようにします。

  • 杉盛り 小鉢など深さのある器に汁の少な目なものを高く盛る。 浅目の器では、料理の山が三分の一ほど出る高さにして、深い器では頂点が縁よりやや低い程度にする。
  • 煮物椀 中央左にメインとなる具材をこんもりとなるように置き、その手前に添え物を盛る。
  • 角皿 高く盛り付けるのには向かないが丸めに揃えた食材に適している。角の部分に空間がとり易い。
  • 寄せ盛り 数種類の食材を盛る場合は、食材の格付けで主役、脇役を決める。動物性の食材や旬の食材を主役とすることが多く、主役との色合いや形で脇役を順位付けます。

和食の場合、わさびや大根おろしなどの添え物は右利きの方がとりやすいように右端、且つ手前に配置するのが一般的ですが、洋食の付け合せは逆に奥側になります。 こんなところにも和洋の違いが伺えますね。

上で書いたように和食の場合は、食べる方にとって無駄な動きが無くとり易くいように配慮したものです。 現代の食事は、和洋が入り混じったスタイルも多くなりましたが、はじめのうちは西洋と東洋のルールを混在させないようにした方が見栄えよく仕上がるでしょう。

○△□の組み合わせ×色+α

配膳や盛り付けを料理のデザインと捉えると、一気に取り付く島もないほどの難しさを感じますが、「○△□の組み合わせ×配色+α」で成り立っていると考えると少しは気楽でしょうか?あー、全く楽になりませんか・・・。

αは「愛情?」、「気配り?」。何を代用するかはお任せします。

http://wiki.zakka56.com/img/zen.png

上図の大きな○はご飯椀、中ぐらいなのは汁椀、これが配膳の最小単位となります。 その奥側へ配置する向付け。

基本となる背景や各々の役割を把握すれば、組み合わせるヒントが浮かんでくると思います。更に、テーマとなる方向性や人数・予算などの制限があった方が、返って細部まではっきりと見えてくるでしょう。

レジュメ

残念ながら上達への近道はありません。しかし「経験」×「意欲」の掛け算で上達するものだと信じたいものですね。

  • 食べ辛さ・使い辛さを感じないように盛り付ける。
    • 箸で食べる場合は食材を一口大に切り揃える。
  • 料理と器の相性を考慮する。
    • 器の絵柄で正面を考慮する。
    • フォーマルなら余白を多めに、カジュアルなら少なめに盛り付ける。
    • 多色の料理には無地の器にする。
    • リムに柄のある器は余白を多めに取る。
    • 器が大柄物ならクロスは無地か小柄にする。
    • サラダの瑞々しさを引き立てるならガラス器とか。
  • 高さを出して盛り付ける。
  • 食材の色を引き立てるような色あいのソース・ハーブ・付け合せを添える。
  • ソースを皿に敷いてから肉や魚を盛り付けたり、周囲を囲むようにする。
  • 比率・左右対称・奇数・連続など配置を考える。

北大路魯山人の盛り付け方

『ひと手間かけた心づくしの料理でおもてなし』昭和天皇の料理番 谷部金次郎著(p.78)

1.料理にそぐわしい器を選ぶ。

2.熱いものには器を温め、冷たいものには器を冷やして盛る。

3.なるべく器を濡れた状態にしておく。

4.器いっぱいには盛らないで、三割くらいの余白を作って盛り付ける。

5.自然に近く盛る。

6.味の上からも香辛料は必要だが、季節によって木の芽やユズを添えることは、明色をあしらうという色彩効果となる。

7.平面的よりも立体的に盛る。

8.器と料理の配色を考える(魯山人は派手な器には地味な料理を、地味な器には派手な料理を盛ったともいわれています)。

9.盛り合わせるものの形は同じにならないようにする。

10.きれいではなく、美しく美味しそうに盛る。

関連:模様の要素とイメージ色彩・配色和食作法のルーツイメージを膨らませる「5」のヒント現在も生きている縁起 料理検索>http://wiki.zakka56.com/recipi.html

外部リンク

写真で具体例をふんだんに挙げるのは・・・無理なのでこちらをどうぞ。

「food」- flickr.com>http://www.flickr.com/photos/tags/food/ 「dinner」- flickr.com>http://www.flickr.com/photos/tags/dinner/


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Last-modified: 2015-02-17 (火) 09:45:02